■慢性の頭痛
一般に“頭痛”には、顔面痛も含まれ、急性頭痛と慢性頭痛とに分けられます。急性頭痛は、数時間経過し治まるか、鎮痛剤を服用すれば治ってしまう程度のものです。しかし、慢性の頭痛は、何年もの長い問、日常の一部のようになってしまうような頭痛で、徐々に痛みが増し、二十四時間以上続いたり、意識障害や高熱、嘔吐、視力障害や手足のしびれなどを伴うこともあります。脳の出血や梗塞、脳動脈瘤の破裂などが起こっている可能性もありますので注意が必要です。ペインクリニックで神経ブロックをはじめとする治療を行うのは、三叉神経痛などの神経痛、一般に片頭痛と呼ばれる血管性頭痛、強烈な痛みが特徴の群発頭痛、精神的な緊張から起こる緊張型頭痛などです。
■片頭痛
片頭痛は、反復的に起こる「拍動性頭痛」と呼ばれ、消化器症状を伴います。前兆のある片頭痛と前兆のない片頭痛およびそれ以外のタイプの片頭痛の3種に大別され、はじめは、鈍い痛みであったり、押されるような痛みですが、次第に痛みの強度が増し、拍動性のズキンズキンするような痛みになります。発作前や発作中に起こる自律神経症状としては、嘔気、嘔吐で、下痢、光過敏、音過敏、頸部筋群および顎筋の圧痛などを伴う場合もあります。
■群発頭痛
群発頭痛は、女性より男性に圧倒的に多い血管性頭痛です。拍動性、灼熱性の激痛で、その発作は一時間程度持続し、一日数回、数週間に渡り頻発します。発作は早朝に始まり、睡眠中に痛みで眼が覚めることも多く、アルコール摂取により誘発されやすいとも言われています。
■緊張型頭痛
緊張型頭痛の特徴は、縛られているような持続性、非拍動性鈍痛で“頭が重い”や“凝り”という表現がされる特徴があります。痛みは後頭部、側頭両側に生じ、前頭部まで及ぶこともありますが、数時間から数日以上持続します。精神的、身体的ストレス、頭頸部外傷、耳・眼・歯などの疾患が誘因となります。